1994年にエジプト・カイロであった国連の国際人口開発会議で、「性と生殖に関する健康と権利」の概念が提唱された。当時は「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」と表記されたが、今は「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)」と呼ばれる。SRHRを推進する国際協力NGO「ジョイセフ」理事の芦野由利子さんは、背景には体の自主権を求める女性たちの闘いの歴史があったと話す。

ジョイセフ理事の芦野由利子さん

 「リプロダクティブ・ライツ」は、女たちがつくった言葉と言っていいと思います。

 私の調べでは1979年、米国に「ナショナル・リプロダクティブ・ライツ・ネットワーク」というグループが誕生しています。

 80年代初頭には欧州でリプロダクティブ・ライツのための世界的ネットワークが結成され、「リプロダクティブ・フリーダム(自由)」という言葉も使われました。

 性や生殖に関する女性の自由な意思は長い間、ないがしろにされてきました。

 女性の体は人口調節の手段とされ、人口増加のために避妊や中絶が禁じられ、人口抑制策として避妊や中絶、不妊手術が強制されるなどしました。

 カイロ会議は、性と生殖をめ…

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