同志社大の永田祐教授

 入院するときに「身元保証人」を求められたらどうすればいいのか。葬式や死後の手続きは、誰がしてくれるのだろう――。頼れる身寄りがおらず、そんな不安を抱えて過ごしている人が少なくないようです。「身寄りなき老後」を、多くの人が安心して暮らせる社会とするために、どんな仕組みが必要なのでしょうか。同志社大の教授で、社会福祉士でもある永田祐さん(社会福祉学)に聞きました。

      ◇

 ――入院や施設入所のときに求められる「身元保証」や、亡くなった後の葬儀や手続きなど、頼れる身寄りがいない高齢者を対象にさまざまなサービスを提供する、いわゆる「身元保証業者」が増えているようです。それだけ不安な人が多いのでしょうか。

 その前に、なぜ「身元保証」が必要なのか、なぜ身元保証人がいないと、入院や施設入所ができないのかということを考えてみる必要があるのではないでしょうか。

 公的な保険で運営されているのに、家族がいないことを理由に、病院が「入れません」という。

 あるいは、特別養護老人ホームは主に社会福祉法人が運営しています。社会福祉事業を行うための公益法人です。そうした法人が、家族がいなければ、緊急時の連絡先がなければ「入所できません」と言って、平然と断ってしまう。

 単に、家族がいないだけです。ライフスタイルの違いだけなのに、受け入れられないという。非常に違和感があります。

 社会が変化し、身寄りがない…

共有
Exit mobile version