【動画】「車窓から見た寺町~残っていたのは墓ばかり~」。車窓の光景が刻々と変わります=木原結愛さん提供、佐藤慈子撮影
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バスに乗った少女が窓の外を眺めている。寺町沿いの道で、寺が焼けた後、墓石だけが延々と続いていた。
絵に描かれた少女は当時8歳だった被爆者の脇舛友子さん(83)。夏休み、冬休みなど休暇のたびに母の実家がある広島県北部の安芸高田市に向かっていた。お米を食べられるうれしい気持ちで、バスの車窓からの景色を楽しんでいた。
広島市立基町高校3年の木原結愛(ゆあ)さん(17)が描くのは、そんな原爆投下後から5年後の世界だ。
資料は、ほとんどなかった。脇舛さんと2人で記憶をたどる作業が始まった。
「バスの窓のかぎの形は?」…