雑賀聰さん=2025年4月8日午前11時36分、和歌山県広川町広、寺沢尚晃撮影

 和歌山県広川町にある「稲むらの火の館」は、浜口梧陵記念館と津波防災教育センターからなる防災学習施設だ。2007年の開館以来、センターでは国内外の見学者に地震や津波に対する備えの大切さを発信し続けている。雑賀聰さん(67)は今月、新館長に着任した。

稲むらの火の館の新館長・雑賀聰さん

 40年近く町内外の小中学校で教員として勤務したあと、実家の寺の住職を務めながら10年以上、地震や津波の恐ろしさを見学者に伝える「講話」を続けてきた。「館長になると、より多くの人に伝えていかなければいけない」と感じている。

 防災について語るようになったのは、小学校教諭時代の教え子の死がきっかけだった。

 兵庫県の大学生になっていた…

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