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通勤客で埋め尽くされる品川駅の自由通路

 望まない転勤を減らそうと、転勤の可否や勤務地について「選択制」を採り入れる企業が増えている。半面、大企業が全国に展開する支店網などを維持するには、すべての社員の勤務地希望をかなえることも難しい。そこで、選択制以外にも、転勤の負担を減らす対策が進んでいる。

 大成建設は今年7月、転勤する社員に支給する手当を大幅に引き上げた。人事部計画室長の北村雅哉さんは「業界で見てもインパクトのある数字だ」と言う。

 これまで転勤する場合、引っ越し費用や数万~数十万円の準備金を会社が負担してきた。新制度では「転勤手当」を新設し、一時金として最大100万円を支給するという。

 背景には、共働き世帯が増えるなかで転勤の負担が増していることがある。大成建設の役員と社員による年数回の意見交換会でも、子育てなどとの両立で転勤の負担が大きいとの声が複数あがっていた。

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