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機械で製造された車の内装部品に傷がないか点検する、ベトナム出身のダオ・ティ・ハンさん=2025年6月11日午前11時51分、愛知県岡崎市、浅田朋範撮影

【連載】となりの外国人 「29人に1人」の現場

日本で働く労働者のうち、外国人の割合が「29人に1人」まで高まっています。漁業、宿泊業、介護、製造業……。全国の現場を訪ねると、あらゆる業界で日本人だけでは賄い切れなくなっている実態が見えてきました。

 「日本人の若者には、労働環境が厳しい工場で働きたい人はいない」

 トヨタ自動車のおひざ元、愛知県岡崎市で1974年から自動車向け部品などを製造する岩津化成の内田善信社長(52)は、求人を出しても応募者が来ない現状を嘆く。

 工場では、機械を使い、粒状のプラスチックを溶かして金属製の型に流し込み、自動車内装などに使われるさまざまな部品を製造している。

 トヨタだけでなく、三菱自動車に使われる部品のほか、インターホンの部品など、約7社の製品を手広く扱う。

 90年代までは毎年、近隣高校の卒業生を2~3人採用していた。だが、2000年以降、入社希望者がゼロになった。この20年間で採用した日本人は10人ほどにとどまる。

 それを穴埋めするようにして現在、雇っているのが、アジア出身の技能実習生だ。

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