Smiley face
写真・図版
フジテレビの一連の問題をめぐる、第三者委員会の報告書の一部=2025年4月2日、角野貴之撮影
  • 写真・図版

 「脆弱(ぜいじゃく)な立場」だった――。元タレントの中居正広氏とフジテレビのアナウンサーだった女性とのトラブルに端を発した問題で、第三者委員会の調査報告書は「業務の延長線上」の性暴力と認定したうえで、女性アナウンサーの置かれた立場をこう記した。自身に重ねて報告書を読んだのは、フジテレビの女性アナウンサーだけではない。

  • 断れなかった「女友達呼んでよ」 「喜び組」期待の裏に男性の幼稚さ

 「報告書を読んで苦しくなった。自分の時と同じだ、と」

 キー局のアナウンサーだった30代の女性は、入社2年目の出来事を思い出す。

 不定期で出演していた、ある深夜のバラエティー番組。収録のたびに打ち上げがあり、出演者の有名男性タレントの隣に座らされた。プロデューサーらから「触られてこい」と促され、腰に手を回されたりハグされたりするのは毎度のこと。帰り際、スタッフらからタレントと同じタクシーに乗せられそうになるのをいつも必死にかわしていた。

性被害から身を守っただけなのに

 最終回の日も別々のタクシーに乗ったが、家に着く前に、男性タレントからメールが届いた。

 「いまどこ? 家どこ? い…

共有