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 大規模な不正会計が判明し、上場から10カ月余りで倒産したAI開発のオルツ(東京都港区)。創業社長だった米倉千貴氏(48)の兄で、2022年8月まで副社長を務めた米倉豪志氏(49)が、朝日新聞のインタビューに応じた。カナダに居住する豪志氏は「話す機会を待っていた」と切り出し、弟と過ごした日々を2時間余りにわたって振り返った。

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オンライン取材に応じるオルツ元副社長の米倉豪志・メタリアル取締役=2025年8月27日

 ――オルツで発覚した大規模な不正会計をどう受け止めましたか。

 「僕はカナダに住んでいるので、最初は(今年4月25日の)朝、起きたらネット上が大騒ぎになっていて驚いた。そのあと怒りが湧いてきた。とても強く。調査報告書を読み終えたあとは、ただただ悲しい。命を削る思いで研究開発をしていた裏で、こんなことが起きていたのかと」

 ――不正を知らなかったのですか。

 「僕自身は不正に関与せず、知ることもなかった。それは最後、僕がオルツを辞めた経緯からも明らかだ」

オルツの不正会計問題の発覚後、元副社長の米倉豪志氏が初めてメディアの取材にこたえました。証言内容を3回にわたって紹介します。

兄は音楽、弟は絵画

 ――弟の千貴さんとはどんな関係でしたか。

 「思考が違っていて、相互補…

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