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 東京電力福島第一原発事故から13年となり、「原発事故」を教育現場でどう教えているのか、朝日新聞は福島県と県内59市町村の教育委員会にアンケートを実施した。寄せられた回答には、福島の子どもたちを放射線から守り「正しい知識」を身につけさせたいという教育現場の切実さとともに、賛否が分かれる原発を教える難しさも読み取れる。教える側の知識不足や、事故の風化といった課題もがうかがえた。

東京電力福島第一原発=2024年2月24日、福島県大熊町、朝日新聞社ヘリから

 アンケートは今年1月、10項目の質問をインターネットを介して実施し、3月初めまでに全ての教委から回答を得た。

 「放射線教育を含む原発教育をどの科目でいつから教えているか」との問いに対し、多くの市町村が、小中学校の理科や学級活動、総合的な学習の時間を使い、早いところで2011年度から、遅くとも13年度までに始めたと答えた。各学校に任せている市町村が多かったが、双葉町や福島市など、事故直後に放射線量が高くなった自治体は、教委が何を教えるか決め、体系的に指導していると答えたところも多かった。

 どのような内容を教えているか複数回答で求めたところ、傾向に特徴がみられた。

 喫緊の課題だった「放射線の…

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