上場から約10カ月で倒産したAI開発のオルツは、2020年発売の議事録作成サービスで実態のない売り上げを作り出していた。22年8月まで副社長を務めた米倉豪志氏(49)は朝日新聞の取材に対し、不正会計が始まる時期には別のガバナンス上の問題を抱えていたと明かす。創業時からたどるインタビューの続編――。

  • 【前編はこちら】オルツ元副社長、初の告白「弟の暴走止められず」「ただただ悲しい」
オンライン取材に応じるオルツ元副社長の米倉豪志・メタリアル取締役

 ――豪志さんはオルツの創業メンバーですね。

 「創業前に地元(愛知県)のカフェで、『次は何をやろうか』と弟(で当時社長の米倉千貴氏)と話した。その2年前に(AI研究者の)ジェフリー・ヒントンさんがカナダ・トロントでの画像認識コンテストで桁違いの性能を出し、ディープラーニングの可能性を知らしめた。僕はAIの社会が来ると考え、弟もチャットボットに関心があった。どうせやるなら難しいことをやろうと話し、人間の意思をクローンする構想がその場で浮かんだ」

研究チームを外れた創業社長

 ――オルツでどのような研究をしましたか。

 「研究開発は自然言語処理か…

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