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ムリード・ファリードさん(78) イスラエル市民権を持つアラブ系住民

 私はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸近くの町に住んでいます。1948年にイスラエルが建国を宣言し、その後のアラブ諸国との戦争の後、この町はイスラエル領内に残りました。

 では、私が何者なのかと問われれば、イスラエル人ではないと答えます。私はイスラエルの市民権をもつアラブ人であり、パレスチナ人です。

【連載】イスラエル・パレスチナ市民の声

 イスラム組織ハマスによるイスラエルへの奇襲、そしてパレスチナ自治区ガザでの戦闘が始まって半年がたちます。憎しみ、悲しみ、空しさ、不安、そして共存への願い。イスラエルとパレスチナ双方の市民の話に耳を傾けました。

  • 【連載7本目】占領下、絶望を深める子供たち 「イスラエルこそテロリスト」

 生活のあらゆる分野で、ユダヤ人は私たちを差別し、対等な市民とは扱っていません。国のなかでの二重基準はアラブ系市民のみんなが感じている現実です。2級どころか4級市民でしょう。国家の最下層です。

ハマスに聞きたい「何を得たのか」

 税金を納めていますが、私たちの町のインフラ整備にはほとんど当てられることはない。私たちの税金が、昨年10月からの(パレスチナ自治区)ガザでの戦争に使われていると思うと不本意です。特に昨年10月以降、アラブ系住民がユダヤ人から殴られたり、侮辱されたりすることは日常的に起きています。最近のアラブ系の若者は黙りがちですが、彼らはもっと抵抗し、権利のために立ち上がるべきです。

 戦争が始まってから、私たち…

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