平和への思いを語るスヘイル・フレイテフさん=3月22日、パレスチナ自治区ラマラ、其山史晃撮影
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スヘイル・フレイテフさん(47) イスラエル人との対話を続ける平和活動家

 私はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸に住んでいます。昨年10月にイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃した直後、イスラエルの入植者から車にビラを投げ込まれました。

イスラエルとパレスチナ、双方で憎しみが高まるなかでも、和平を信じて歩み続けている人たちがいます。そうしたうちの一人、フレイテフさんを突き動かすものは何なのでしょうか。

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 そこには「ヨルダンに出て行け。さもなくば、私たちは力でおまえたちを追い出す」と書かれていました。

 それからイスラエルはガザに軍事侵攻し、多大な苦痛をもたらしています。民主主義と自由主義の社会のなかに潜んでいた何かが怪物になっていく姿を見ています。ガザの人々を「悪魔」にして、自分たち「天使」が退治するという心境なのでしょう。

 パレスチナ人たちは、そんなイスラエルにもろさを見て取り、永遠の存在ではないと思い始めています。強い軍隊をもつ、士気の高い国というかつてのイメージは崩れました。

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