ルビオ米国務長官は7日、シリア暫定政権のシャラア大統領が率いていた過激派組織シャーム解放機構(HTS)の「外国テロ組織」指定を解除すると発表した。8日に発効する。対シリア制裁の解除を命じる6月30日の大統領令に基づいて、国際金融システムから孤立したシリアを救済し、内戦からの復興を後押しする狙いがある。
HTSは国際テロ組織アルカイダが源流。ルビオ氏は声明で、暫定政権が、あらゆる形態のテロと闘い、HTSを解散すると表明していることを受けた措置だと説明。「安定し、統一され、平和なシリアを実現するための重要な一歩だ」としている。
トランプ米大統領は1期目に、イスラエルと一部のアラブ諸国との関係を正常化させる「アブラハム合意」を仲介しており、2期目は参加国の拡大を目指している。シリア暫定政権にも、経済制裁の解除を進める代わりに、合意に加わるよう要請している。7日のイスラエルのネタニヤフ首相との会談でも、シリアやサウジアラビアなどのアラブ諸国との関係について話し合ったとみられる。
シリアとの関係改善は欧州の各国も進めている。英国は5日、内戦以来途絶えていた外交関係の再開を発表。ラミー外相が同日、英閣僚として14年ぶりに現地を訪問し、シャラア氏らと会談。9450万ポンド(約190億円)の追加の人道・復興支援を表明した。