対談するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(左)とオープンAIのサム・アルトマンCEO=2025年2月3日午後3時32分、東京都千代田区、関田航撮影

 ソフトバンクグループ(SBG)と米オープンAIが日本国内でも手を組む。オープンAIが開発する企業向けAI(人工知能)サービスの販売を、SBGは人とお金の両面で強力に後押しする。両者は米国で最大78兆円規模の投資事業を発表したばかり。オープンAIの巨額の資金ニーズを背景に、両者が連携を強めている。

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 「まだまだたくさんの計算能力が必要になる」「設備投資はかかるが、収益は指数関数的にのびていく」。3日、東京都内でSBGが開いたイベントに登壇したオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)はこう話した。

 オープンAIは、人間並みの知能を持つ「汎用(はんよう)人工知能(AGI)」の開発に必要なAIインフラの確保に向け、SBGとの関係を強めている。両社は先月、米国で巨大データセンターをつくる合弁事業「スターゲート」を発表。想定する最大投資額は5千億ドル(約78兆円)にのぼる。

 オープンAIが提供する対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」の利用者は世界で3億人を超えたが、AIの開発や運営に巨額の資金がかかり、同社は赤字が続いているとされる。

中国AI「ディープシーク」に危機感

 オープンAIに対してはこれまで、米マイクロソフト(MS)が中心となって出資してきた。だが、アルトマン氏が2023年に一時CEOを解任された後、MS側が追加出資に慎重になったと報じられていた。オープンAI側は、MS以外の資金調達先が必要となっており、そこに現れたのがSBGだった。

 日本との連携を強める背景に…

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