米食品医薬品局(FDA)は18日、米製薬大手ギリアド・サイエンシズが開発したHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染予防薬を承認した。高い有効性に加え、年2回の投与で済むため、毎日服用が必要な既存薬より使いやすい。世界で年間100万人以上いる新規感染者を減らしうる画期的な薬として期待されていた。
- 「手本を見せたい」ビル・ゲイツ氏が語る30兆円寄付に込めた思い
新たに承認されたのは「レナカパビル(販売名イェズトゥゴ)」。ウイルスの増殖を阻害することで、感染を予防できるとされる。初回に注射と経口で薬を投与した後、6カ月ごとに注射する。
この薬は二つの臨床試験で高い有効性が示された。アフリカの約2千人を対象にした一つ目の試験では、新たなHIV感染者はゼロ。南米や米国などで実施された二つ目の試験では、約2千人のうち新規感染者は2人のみ。投与しなかった場合に想定されるHIV感染率と比較すると、感染リスクを96%減少させることができたという。
科学誌サイエンスが選ぶ昨年の「最も重要な成果」にも
HIVの構造や機能の理解か…