Smiley face
写真・図版
津山恵子さん=本人提供

津山恵子のメディア私評

 今年の米大統領選挙において、SNSとそれを舞台にするインフルエンサーが及ぼす影響力は過去最大になるといって間違いない。若い人の間では雑多な情報が流れるSNSに対する信頼度が上昇し、自分と似たような意見だけに接する「エコーチェンバー」に閉じ込められる中、異なる意見には耳を貸さない風潮が強まる。候補者の政策の違いなどが十分に伝わらないまま、選挙の投開票日が11月5日に到来する。

 民主党大統領候補のカマラ・ハリス副大統領は10月6日、ポッドキャスト「コール・ハー・ダディ(Call Her Daddy)」のインタビューに出演した。女性に最も人気の番組の一つとされ、1回の投稿で1千万回再生される。通常のトピックは主にセックスを中心とした男女関係のアドバイスだ。

 インフルエンサーのアレックス・クーパー氏「(共和党候補の)トランプ氏は討論会で人工妊娠中絶の問題について『生まれたばかりの乳児を殺している(民主党が支配する)州も複数ある』と主張した。正確ですか?」

 ハリス氏「そんなことは、どこでも起きてはいない。(中略)バカにしている。あいつは、噓(うそ)ばっかりつく」

 彼女の答えは、さすがにテレ…

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