春季鳥取県高校野球大会兼第142回春季中国地区高校野球大会県予選は21日、どらやきドラマチックパーク米子市民球場で準決勝があり、米子松蔭と鳥取城北が決勝進出を決めた。両校は6月に開催される山陰大会の出場権を得た。
第1試合は米子松蔭が延長十回タイブレークで、惣郷選手の適時安打で鳥取商にサヨナラ勝ち。第2試合は鳥取城北の鈴木投手が被安打1の好投で米子東を完封した。
決勝と3位決定戦は27日、同球場で行われる。(斉藤勝寿)
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快音に続き、雄たけびが球場に響いた。球場の空気を一変させた3点本塁打。だが、試合後、鳥取商の青木一真選手には、公式戦初の本塁打だったにもかかわらず笑顔は全くなかった。3年連続の夏の甲子園出場に向け、満足できない試合運びだったからだ。
鳥取商は2回以降、米子松蔭の多彩な投手陣に惑わされ、なかなか安打が出ない。ベンチには重い空気が漂っていた。5点差を追う九回表にやっと攻撃がつながる。連打と敵失で2点を返し、なお2死一、三塁。内角の変化球を振り抜いた青木選手の打球は、弧を描いて左翼席に飛び込んだ。
だが、試合は延長サヨナラ負け。青木選手は、「投手陣を助けるためにもっと打撃と走塁を鍛えなければ」と表情を引き締めた。夏に向けた課題は見つかった。(奥平真也)