トランプ米大統領は11日、米大手半導体企業に中国への輸出を認める見返りに、売り上げの15%を米政府に支払わせる方針を発表した。政府が企業に規制を免除する代わりに「ディール(取引)」として支払いを求めるのは極めて異例だ。
対象となるのは、米半導体大手エヌビディアとアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)。中国向けに販売した人工知能(AI)向け半導体の売り上げの15%を米政府に支払う。トランプ氏は、エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)とのやりとりで20%を求めたが、フアン氏が15%にしてほしいと交渉してきたという。
バイデン前政権は2022年、中国が米国製半導体を兵器製造に利用しているとして、安全保障上の理由から半導体の対中輸出規制を始めた。ところが、エヌビディアやAMDは性能を落とした製品を開発して規制をくぐり抜けた。トランプ政権は4月、こうした製品も規制対象としたが、7月に一転して輸出を認めることにした。今回の支払いは、その見返りに求めた形だ。
米メディアによると、米政府が安全保障上の理由から企業を傘下においたことはある。09年の金融危機の際には、自動車大手ゼネラル・モーターズとクライスラーを管理下に置き、政府が株式を売却した後、その利益が政府に入った。
しかし、米政府が株式を取得…