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創業150年を超える医療機器メーカー「白井松器械」=大阪市中央区、小島弘之撮影
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 決算報告書を粉飾して銀行から5億円の融資枠をだまし取ったなどとして、大阪府警は30日、医療機器メーカー「白井松器械」(大阪市中央区)の元社長、弘野俊彦容疑者(62)と財務経理担当の元役員、羽田同徳(とものり)容疑者(68)を詐欺容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。

 白井松器械は明治時代の1872年に医療器械商として創業した老舗。昨年9月、約87億円の負債を抱えたとして大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人の弁護士によると、粉飾決算は約20年にわたり続いていたといい、府警は他の銀行との取引でも不正がなかったか調べる。

 捜査関係者によると2人は共謀の上、同社が債務超過であるのに経営状況は良好だと装った決算報告書を提出し、2023年1月、銀行から3億円の融資枠をだまし取った疑いがある。さらに同2月、同じ銀行に対して、実際には別の銀行への返済目的であるのに事業拡大のための運転資金が必要だと装い、融資枠を3億円から5億円に増額させた疑いがある。

 信用調査会社などによると、同社は解剖台や遺体の保存冷蔵庫、臓器乾燥機といった製品を開発・販売。国内外の大手精密機器メーカーなどとも契約し、病院や大学、大手製薬会社と取引するなど業界内での知名度が高かったという。23年9月期の売り上げは約20億円とされていた。(高井里佳子、小島弘之)

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