製紙業界の事業者団体「日本製紙連合会」(東京都中央区)の出張授業がこのほど、大阪市北区の市立中之島小中一貫校であり、5年生約60人が紙のリサイクルを学んだ。
木材などの繊維が重なりあっている紙。繊維は水などでバラバラにでき、乾燥させると再び結びつく。そんなリサイクルの仕組みについては、日本製紙連合会の吉澤桂さんが分かりやすく説明した。
ビーカーに入った水に紙を溶かしてルーペでのぞくと、綿毛のような繊維が見え、歓声があがった。吉澤さんは、牛乳パックを溶かした水を使って紙すきを実演し「家でもできるよ。やってみて」と語りかけた。
日本の紙のリサイクルは約1千年前の平安時代には行われていたこと、日本の古紙利用率は約67%で世界トップクラスであること、使い続けると繊維がほどけやすくなるため、同じ紙でリサイクルできるのは5回程度であることも紹介。吉澤さんは「紙には様々な種類があり、リサイクルするには分別が大事。みんなの小さな行動がリサイクルの大きな輪になる」と呼びかけた。
授業を受けた大浦彦士さんは「平安時代から紙をリサイクルしていることに驚いた。今の僕らも負けないように取り組みたい」と話していた。