働き方の多様化に対応するため、労働基準法などの改正を視野に入れた厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」で10日、経団連と労働組合の中央組織・連合の担当者が出席して意見を述べた。規制緩和をめぐる多くの論点で、賛成の経団連と反対の連合で、考えの違いが浮き彫りになった。

「労働基準関係法制研究会」でヒアリングを受ける経団連の鈴木重也・労働法制本部長(左)と連合の冨高裕子・総合政策推進局長=2024年5月10日、東京・霞が関の厚生労働省、宮川純一撮影

 研究会は今年1月から始まり、当事者の労使双方から意見を聴く初めての機会となった。

 主張が特に対立したのが労働時間規制だ。経団連は、テレワークの普及などを受け、裁量労働制のほか、年収が高い専門職を規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の拡大を主張。鈴木重也・労働法制本部長は「各社の実態に応じた柔軟な働き方を可能にすることが求められる」と語った。

 これに対し連合は、裁量労働の拡大に反対し、高プロは廃止を含めた見直しを求めた。冨高裕子・総合政策推進局長は「長時間、過重労働を強いられる労働者を増加させかねない」と訴えた。

「労使の話し合い」では一定の一致点

 時間外労働の上限規制につい…

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