会見で、立花孝志氏への情報提供について説明する兵庫県議の(左から)増山誠氏、岸口実氏、白井孝明氏=2025年2月23日午後1時6分、神戸市中央区、林敏行撮影

 兵庫県議会の調査特別委員会(百条委員会)をめぐり、地域政党・兵庫維新の会の所属県議が政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏への情報提供に関与していた問題で、当事者の増山誠、岸口実、白井孝明の3県議が23日、神戸市内で記者会見を開いた。

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 増山氏は会見で、自身から立花氏に連絡を取って知事選告示日の10月31日にカラオケボックスで会ったことを認めた。報道陣から「立花氏が拡散したことで混乱が生じた。(誹謗中傷を受けた)県議が亡くなっている」との質問には、「立花氏がデマを言っていたとは認識していない。立花氏の情報によって県議が亡くなったという因果関係も私として確信を持っていない」と説明した。

 一方で、百条委の非公開情報を外部に漏らした責任として、党本部に離党届を提出したことを明らかにした。

 増山氏が提供したのは、昨年10月25日に非公開で開かれた片山安孝・前副知事の証人尋問の音声データ。片山氏は尋問で、告発文書を作成した元西播磨県民局長には不正な目的があったと主張し、その情報が含まれるとされる県民局長の私的情報の内容を話し出したことで、百条委委員長の奥谷謙一県議から制止されたやりとりが残る。

 増山氏は会見で、片山氏の発言が「重要な要素であり、県民が知らないまま、選挙に突入するのはよくないと考えた」と話した。

 百条委は、知事選(昨年10月31日告示、11月17日投開票)への影響を考慮し、10月の証人尋問は非公開とし、選挙後に録画を公開する方針を事前に決めていた。県議会事務局によると、会議規則で秘密会の議事の情報漏洩(ろうえい)は禁じられている。

 また、元県民局長から私的情報に関わる資料に配慮するようにとの申し入れがあり、県情報公開条例では通常他人に知られたくないと認められるものは非公開情報とする規定もあることから、片山氏が私的情報に言及した部分は録画公開後も非公表と決めていた。

 岸口氏は、県知事選の期間中に民間人と一緒に立花氏と会い、一部の百条委の委員らを「黒幕」などと主張する文書を渡したことが明らかになっている。岸口氏は会見で、「結論から言いますと、その場に同席しており、私から提供したものといえる」と述べた。

 白井氏は21日、選挙期間中などに立花氏からの電話を受けたことを認めた。立花氏は、SNSで岸口氏とは別に増山氏からも文書情報を受け取り、その内容を白井氏に確認したとしている。

 白川氏は23日の会見で、「斎藤知事だけが悪者と報じられているのがフェアではないと考えた」と理由を説明した。

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