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インドとパキスタンの情勢についてコメントする国連のグテーレス事務総長=2025年5月5日、米ニューヨークの国連本部、国連ウェブTVから

 インドが実効支配するカシミール地方で観光客ら26人が武装勢力に殺害され、インドとパキスタンの対立が高まっていることを受け、国連のグテーレス事務総長は5日、「制御不能に陥りやすい軍事衝突を避けることが特に今は必要不可欠だ」と報道陣に述べ、自制を呼びかけた。

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 グテーレス氏は「インドとパキスタンの間の緊張がこの数年で最も高まっている」と指摘。「軍事的解決は解決策にはならない」と強調し、国連として緊張緩和に協力する姿勢を示した。

 一方、国連安全保障理事会は同日、非公開の会合を開いてこの問題を議論した。終了後に取材に応じたパキスタンのアフマド国連大使は、複数の理事国から平和的解決を求める声があったと説明。パキスタン政府は関与を否定しており、事件についての独立した調査を実施するよう求めたと明かした。

 事件は4月22日に発生。インド政府はパキスタン側がこの「テロ攻撃」に関与していたと主張している。インド軍は、軍事施設が攻撃を受けて使用できなくなる事態を想定した訓練を実施し、パキスタン軍もミサイルの発射実験を行うなど、緊張が高まっている。

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