(5日、神奈川県高校野球春季大会準決勝 東海大相模11―1三浦学苑)
1点リードされて迎えた七回裏2死満塁、フルカウント。三浦学苑の先発、秋山隼祐投手(3年)はピンチの場面でも表情を変えなかった。「自信はあったので。大丈夫だと自分に言い聞かせていた」
緩急を生かした投球で、三浦学苑を71年ぶりの4強に導いた。この日も、昨夏の神奈川大会を制した東海大相模に五回まで得点を許さなかった。
六回裏に2点を失ったが、チームは直後に1点を返し、「エースとして粘らなければいけない場面だった」。
ところが、内角に投じた直球はわずかに外れ、押し出し。険しい顔つきで天を見上げた。
試合後、スタンドにあいさつするときには、目に涙があふれた。
それでも、強豪校と中盤まで互角の戦いをしたことは、確かな自信になった。「まだ夏があるので、この貴重な経験を生かしてがんばりたい」