まだ薄暗い住宅街を、全身を粘着テープでしばられ、あざだらけになりながら助けを求める女性――。30日未明に東京都国分寺市で発生した強盗致傷事件。第一発見者として被害に遭った住人の60代の女性を助け、110番通報した新聞配達員の男性が、異様な現場の状況を朝日新聞の取材に語った。
午前3時過ぎに始めたこの日の配達は、あと少しで終わろうとしていた。午前5時ごろ、同市西恋ケ窪で路肩にバイクを止め、配達先に向かう男性に、年配の女性が近づいてきた。
「むー、むー」
粘着テープがまかれた口で、必死に何かを訴えている。両手は後ろ手にされ、粘着テープで縛られていた。粘着テープは髪にも付き、足元は絡まった粘着テープを引きずっていた。
街灯の明かりで顔を見ると、左目の辺りが真っ青になり、大きなたんこぶができていた。着ている服は破れたり、まくれたりしていて、背中や腕に何カ所もあざがあるのが分かった。
あまりの出来事に少しひるんだが、必死で口の粘着テープを外した。
「110番を」 裏口の扉は割られていた
女性は「携帯持ってる? 1…