美容医療をめぐるトラブルの増加を受け、厚生労働省は、美容医療の医療機関に安全管理に関する年1回の報告を義務づける方針を固めた。関係団体には、後遺症への対応や医療の質の標準化などに関する指針をつくらせる。美容医療に限った異例の対応だが、美容医療界では法令を守らない医療機関があるとされ、実効性が課題になる。
厚労省の対応策は13日の専門家検討会で議論し、年内にも決まる。
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美容医療を受ける人はここ数年で急増している。関係学会の調査を分析した厚労省の資料によると、52の医療機関・チェーンの施術数は2019年に約123万件。それが22年には3倍の約373万件に増えている。
国民生活センターなどへの相談も23年度は5507件あり、1862件だった19年度から3倍に増えた。23年度に「危害」として登録された相談は「皮膚障害」や「熱傷」などで796件。「クマ取りの美容整形の後に視力も低下した」という内容もあった。
さらに、密室で高額な契約をさせられるトラブルも起きている。
法令違反が横行、医師以外の医療行為も
公的医療保険が使われる通常…