群馬県産の希少な和紅茶を使ったお菓子を作りたい。そんな高校生のアイデアが、前橋市のケーキ店とのコラボで結実した。25日から県内のコンビニでの発売も開始。将来は群馬のお土産に育てたいと期待が膨らむ。
完成したのは焼き菓子の「和紅茶ブラウニー」。前橋市の県立勢多農林高校食品科学科の生徒有志と、ケーキ店「スイーツショップ ヨシダ」(吉田隆社長)の合作だ。
きっかけは数年前、同校の渋沢遼子教諭が、旧子持村(現・渋川市)で作られた和紅茶の存在を知ったこと。生産量は数十キロと少なく、ほとんどが自家消費用という「幻の紅茶」だった。生徒たちに紹介すると、「日本で紅茶を作っているなんて」「渋みが少なくて飲みやすい」と興味を持ち、この紅茶を使ったお菓子の製品化を模索していた。
これまでも高校生のアイデアを製品化する活動を支援してきた東和銀行が、生徒たちの思いと吉田社長をつなぎ、昨年、プロジェクトがスタート。生徒たちは、和紅茶の優しい香りを生かしたかったが、ブラウニーの甘みに負けてしまう。吉田社長が材料のチョコレートにホワイトチョコレートを、クルミの代わりにピーカンナッツを使うなど工夫を繰り返し、約1年かけて、生徒たちと話し合いながら完成させた。
「企業の方と話をすることなどこれまでなかったので、思っていることをうまく言葉にすることが難しかったです」とプロジェクトに参加した3年の木村智さん(17)。3年の勝田妃南さん(17)は、「吉田さん、みなさんのおかげで、理想のおいしいお菓子ができました。和紅茶の味わいをぜひ体験して欲しい」。吉田社長は「群馬のお土産として親しんでもらえるようになれば」と期待していた。1個250円(税込み)。県内44店舗のファミリーマートで販売中。(星井麻紀)