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胃カメラを持つ加藤元嗣さん=札幌市東区、松田昌也撮影

 胃内視鏡(胃カメラ)による胃がん検診で、医師の負担軽減を目指して、画像チェックに人工知能(AI)の活用を探る疫学研究が6月にも始まる。精度の高さが確かめられれば、複数の医師が携わっている一連の検査が、1人の医師でできるようになる。内視鏡医が少ない地域でも胃カメラの利用拡大の可能性がある。

 研究は、加藤元嗣・北海道対がん協会長(国立病院機構・函館医療センター名誉院長)が中心になり、北海道と東北地方の六つの医療機関で、2025年度から3年かけて実施する。6機関は、北海道対がん協会札幌がん検診センター、同協会旭川がん検診センター、宮城県対がん協会、青森県総合健診センター、岩手県対がん協会、秋田県総合保健事業団。

 胃カメラを使った胃がん検診は現在、2段階で実施されている。日本消化器がん検診学会のマニュアルによると、内視鏡医が胃カメラ検査中に画像撮影しながらの診断(一次判定)と、その時に撮影された静止画像を別の消化器科の医師(読影医)が確認(二次判定)して見逃しを防いでいる。

 加藤さんによると、一次判定…

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