石川県内を襲った大雨や高潮被害の始まりから9月6日で1カ月になる。奥能登地域では、昨年元日の地震の傷痕が浸水被害をより深刻にした。金沢市内では半日で平年の2カ月分近い雨量を観測し、対策を迫られている。
能登町の宇出津(うしつ)港から約100メートル。焼き肉店「精香園」を営む朝海明男さん(55)は大雨から一夜明けた8月7日朝、店を訪れて周囲が冠水しているのを知った。
店内は浸水していた。水はいったん引いたが、海側の道路に面した玄関から再び海水が入り込む。店の脇の用水路や床下の排水口からも繰り返し水が上がってきた。
店内は床上約30センチまで浸水したという。冷蔵庫や冷凍庫、電子レンジなどが壊れ、店は休業。買い替えや修繕を経て29日に再開した。
昨年来、店は浸水を繰り返している。背景にあるのは、能登半島地震後の地盤沈下だ。朝海さんは「地震の後、地盤が海面と同じか、それよりも低くなった感覚がある。地震の後遺症のよう」と語る。
朝海さんは毎朝、スマートフ…