信愛会脊椎(せきつい)脊髄(せきずい)センターの上田茂雄センター長=2025年7月24日、大阪府交野市、藤谷和広撮影

 座っても立っても寝ても痛く、通院以外の外出はできません。手術に踏み切った方が良いのでしょうか――。20年近く前に腰の椎間板(ついかんばん)ヘルニアと診断されたという60代の女性から、医療相談のコーナー「どうしました」に質問が届きました。

 数年おきに痛みが出ているといいます。毎回、注射と服薬で痛みが治まるのを待つ状況で、「今後、頻繁に激痛に襲われるかと思うと憂鬱(ゆううつ)です」とのこと。手術を検討する目安について、信愛会脊椎(せきつい)脊髄(せきずい)センター(大阪府交野市)の上田茂雄センター長に聞きました。

 Q 腰のヘルニアとは、どういう病気ですか。

 A 腰椎(ようつい)の骨と骨の間にある椎間板が割れ、クッション機能を持つ髄核が飛び出して、神経を圧迫することで発症します。おしりや太ももの裏に痛みが出ることが多いですが、割れた場所や、神経へのあたり方によって変わります。

 Q どういう治療が標準的なのでしょうか。

 A ほとんどの場合、飛び出した髄核が溶けて自然に治るので、まずは手術以外の方法で様子をみます。症状に合わせて鎮痛薬を使い、痛みが強いときは、神経の近くに痛み止めをうつブロック注射を行います。ヘルニアを治すのではなく、痛みのピークを抑え、少しでもしんどくないようにするのが狙いです。

手術を考える目安、排尿障害と歩きにくさ

 Q 手術を検討する目安はな…

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