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岩波書店から出版されたマリヤの賛歌=2025年8月19日、熊谷姿慧撮影
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 絶版となっていた書籍「マリヤの賛歌」が6月、岩波書店から文庫として復刊した。元慰安婦と名乗り出た数少ない日本人として知られる城田すず子さん(仮名)の半生が記されている。城田さんが晩年を過ごした「かにた婦人の村」(千葉県館山市)の施設長、五十嵐逸美さんは「若い人にこそ読んでほしい」と話す。

 城田さんは1921年に東京で生まれた。母親の死をきっかけに家業が破産し、17歳で借金のかたに芸者屋に売られた。

戦争とともに台湾で慰安婦となり、戦場の最前線だったサイパン、パラオなどの島々を転々とした。兵士や、ともに暮らした他の慰安婦たちが亡くなる姿も数多く見てきた。

終戦後も続いた苦しみ

 終戦後も、生きていくために…

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