作品を手がけた柴田あゆみさん=2024年8月4日午後0時24分、金沢市広坂1丁目、椎木慎太郎撮影

 手のひらサイズから天井を覆う大きさまで、60点の切り絵作品が並ぶ。そんな展覧会「かみがみの森」が金沢市の金沢21世紀美術館で開かれている。31日まで。

 展示作品を手がけたのは、横浜市出身の切り絵作家・柴田あゆみさん。おもに木の根や葉脈をモチーフにした作品を手がけるが、広げて立てたノートのページを切り抜いたり、帯のように長い紙を天井から垂らしたり、立体的な作品も多い。

 柴田さんと切り絵の最初の出会いは、小学校の図工の授業だった。黒い画用紙を切り取り、カラーフィルムを重ねた作品を空にかざすと、カラフルな模様が浮かび上がった。図工の授業で思い出せるのはその景色だけだという。

 その後は切り絵と疎遠になり、高校卒業後は音楽活動に熱中した。しかし能力の限界を感じ、20代半ばの時に「自分探し」のため米国へ。言葉もままならず、知人もいない。不安が常に頭を覆い、町の教会で目を閉じることで心を落ち着かせるようになった。

 いつものように教会で瞑想し…

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