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 日米関税交渉で日本側が「本丸」と位置づける自動車関税の見直しに、暗雲が立ちこめている。トランプ米大統領は6月29日、日本車を含む輸入車に課している25%の追加関税について、修正するつもりがない考えを示唆。これまで7回もの閣僚級会議を重ねたが、肝心のトランプ氏には、訴えがほとんど響いていないおそれがある。

 トランプ氏はこの日に放送された米FOXニュースのインタビューで、日米間の自動車貿易が「公平でない」とする不満を改めて表明。交渉を続ける各国に対して、それぞれに課す関税率を書簡で伝えてしまえば、「それで貿易協議はおしまいだ」と語った。

 各国にこうした書簡を送りつけるという発言はこれが初めてではない。トランプ氏自身が設定した7月9日の交渉期限を前に、各国との交渉はなかなか進んでおらず、揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。

 今回のインタビューで注目されるのは、FOXの司会者から水を向けられたわけでもないのに、トランプ氏が書簡の話の流れで突然日本を名指ししながら批判を始めたことだ。

 「(書簡は)日本にも送ることができる」。トランプ氏はそう切り出し、「親愛なる日本へ。あなたは自動車に25%の関税を支払うことになります」とも述べた。

写真・図版
米ホワイトハウスで6月27日、記者会見するトランプ大統領=AP

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