26日午後4時半ごろ、佐賀県伊万里市東山代町長浜の民家から「男が急に家に入ってきて刃物で顔と首を刺した」と近隣住民を通じて119番通報があった。民家には当時、70代の母親と娘の椋本舞子さん(40)がおり、椋本さんが死亡、母親もけがをして病院に搬送された。県警は強盗殺人などの疑いで捜査本部を設置し、逃げた男の行方を追っている。
県警によると、逃げたのは20代くらいの男とみられる。短髪で黒い半袖のTシャツと茶色の長ズボンを身につけていた。マスクも着用していたという。
民家は2人暮らしで、インターホンが鳴ったため玄関を開けると、男が「お金」「財布を見せろ」と言い、室内でまず椋本さんに切りかかり、その後母親を切りつけた。
母親は、その場から避難して近所に通報を頼むなどした。首に切り傷などがありドクターヘリで搬送されたが、意識はある。警察官が駆けつけると椋本さんは玄関で倒れていたという。
現場は、松浦鉄道の東山代町駅から南に約1キロの閑静な住宅街。自然に囲まれた静かな町で起きたことに住民からは驚きや不安の声が広がった。
近所に住む60代の女性は外出する際に規制線が張ってあったといい、「警察に『刃物持った人が捕まっていないから家に入る時はさっと入って』と言われた。一人暮らしなので怖い」と話した。
また50代男性はこの日、パトカーや救急車などが来る様子を見て、「なんごとやろか」と思ったいう。その後、地域の放送で、事件の発生と犯人の逃走を知ったといい、「驚きしかない。まさかこんな所で」と話した。