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2024年5月2日、パリで岸田文雄首相(右)と握手するフランスのマクロン大統領=AP
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 フランス訪問中の岸田文雄首相は2日、パリの大統領府でマクロン仏大統領と会談し、自衛隊と仏軍が共同訓練などで相互に訪問しやすくする「円滑化協定」(RAA)締結に向けた交渉入りで合意した。フランスを英豪と同様に「準同盟国」へと格上げを図り、中国が影響力を強めるインド太平洋地域での日仏間の安全保障協力を深める狙いがある。

 首相は2日午後、マクロン氏と昼食会で会談し、ウクライナや中東情勢についても意見交換した。

 RAAは、共同訓練など互いの国で活動する際の法的地位を定めるもので、入国手続きや武器・弾薬の持ち込み手続きが簡略化される。日本は「準同盟国」と位置付ける英豪と締結済みで、フィリピンと交渉中だ。

 日仏がRAA締結を目指すのは、近年の両国間の安保関係の強化が背景にある。自衛隊と仏軍は昨年9月、ニューカレドニアで日仏陸軍種初の共同訓練を実施。同年6月は四国沖で空自・海自と仏海軍が共同訓練を行い、翌7月にも仏航空宇宙軍戦闘機が日本に初寄航し、宮崎県内で空自機と共同訓練を行った。日仏両国は、RAA締結で安保分野のさらなる連携強化を目指す。

 念頭にあるのが、インド太平洋で影響力を強める中国の存在だ。日本は米国との同盟関係を基軸としつつ、ロシアと連携する中国を警戒する北大西洋条約機構(NATO)諸国との関係強化を図っており、仏国とのRAA締結交渉入りもその一環だ。

 ただし、日仏では中国に対す…

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