破産手続きが始まった老舗AV機器メーカーの船井電機(大阪府大東市)が、破産申請時に約117億円の債務超過に陥っていたことが29日、債権者らへの取材でわかった。同社が2021年5月に出版会社に買収されて以降、関連会社などに「貸付金」として約300億円が流出し、現預金がほぼ尽きたことも東京地裁に報告されているという。
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債権者らによると、取締役会の決議を経ずに取締役が単独でできる準自己破産を24日に地裁に申請し、地裁は即日、手続きの開始決定を出していた。即日の決定は異例で、緊急性があると判断されたとみられる。
9月末時点での負債額は簿価で約474億円。このほかに、親会社の買収した脱毛サロンチェーンが金融機関から借り入れている33億円の保証を簿外でするなどしていたという。
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