AV機器メーカー・船井電機(大阪府大東市)の破産が決まってから約1カ月。取締役が単独で申請する「準自己破産」だったことも裁判所が即日決定したことも珍しいが、他の経営陣が取り消しを求めて争うというさらに異例の経過をたどっている。果たして船井は破産すべきだったのか、流出したとされる資金はどこへいったのか。
「いろいろな方が会社からお金を抜いていく行為もあった。伝統ある船井電機を、ぐちゃぐちゃなままで終わらせてはいけない」
東京地裁が破産手続きの開始決定を出した10月24日。船井本社で急きょ開かれた従業員への説明会で、役員らが破産にいたった理由を説明した。
この日、創業家系の取締役が取締役会の決議を経ずに単独でできる「準自己破産」を申請。船井は約117億円の債務超過で現金もなく、必要な支払いができないとの主張を地裁が認めた。
「納得がいっていない」「不当な中傷に迷惑している」……。記事後半では、9月末で退任した前社長の上田智一氏のインタビューも紹介します。
朝日新聞が入手した内部資料…