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発売された芦屋モダニズムチョコレート=芦屋観光協会提供
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 兵庫県芦屋市山手町のヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)の竣工(しゅんこう)100周年を記念した「芦屋モダニズムチョコレート」が今月、発売された。迎賓館の窓飾りや柱をモチーフにした洗練されたデザインは、芦屋を愛したあるデザイナーの遺作でもある。

 米建築家フランク・ロイド・ライトが設計した迎賓館は1924年に建てられた。主屋(しゅおく)は74年に国の重要文化財に指定されている。

 芦屋観光協会が竣工100周年の記念事業としてチョコレート製作を企画。デザインは協会理事でデザイナーの助田敦さんが手がけた。

 助田さんは迎賓館の窓や柱に施された植物や幾何学模様の飾りをもとに、昨夏にデザイン画を描き上げた。だがそのころ助田さんの体は病に侵されていた。

 助田さんのデザインにほれ込んだ芦屋市月若町の人気チョコレート店「cherry(チェリー).c(シー)」が製造を買って出た。繊細な形状の型作りに難航したが、試行錯誤を繰り返しながら4種の味を楽しめるおしゃれなチョコレートに仕上げた。

 「これが最後の仕事」と精力的に事業に関わった助田さんだったが、昨秋ごろから体調がさらに悪化し、完成を見ることなく今年4月に帰らぬ人となった。72歳だった。

 芦屋観光協会の杉本せつこ理事は「助田さんをはじめ、芦屋を愛する人たちの思いが詰まったチョコレートになりました。ぜひ多くの人に味わってほしい」と話す。

 税込み3780円。500個限定で、ヨドコウ迎賓館とcherry.cで販売中。23~29日には大丸芦屋店の「菓子フェスタ」でも販売される。(真常法彦)

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