シラカバの花=森林総合研究所北海道支所提供

 今年も北海道にシラカバ(学名シラカンバ)の花粉が舞い散る季節がやってきた。道立衛生研究所によると、春の大型連休(GW)ごろにピークを迎えるといい、不安がある場合はあらかじめ、かかりつけの耳鼻科などで相談するよう呼びかけている。

 研究所によると、シラカバ花粉としてまとめているのは、カバノキ科カバノキ属のシラカンバ、ダケカンバ、ウダイカンバの3種。花粉の形状も酷似しているといい、札幌に舞う花粉の約30%を占めるという。一方、スギは約2%にとどまる。

シラカバの木=森林総合研究所北海道支所提供

 鼻水やのどのかゆみといった花粉症の症状は、花粉を吸い込んで免疫反応が過剰になって起きる。シラカバのない地域で暮らしていた人は蓄積も少なく、免疫反応がすぐに出ることは少ないと考えられるという。

 だが、反応がでないとも言い切れない。花粉の調査を担当している平島洸基研究員(34)は「西日本に生えているヤシャブシなど、カバノキ科のアレルギーなどがあると反応してしまう可能性があるのではないか」とみる。

 スギの木が少ない北海道に来たのに、「花粉症が続く」というがっかり現象の理由だ。

 研究所では、屋上に設置した自動捕集装置を使って花粉を集め、顕微鏡で観測。週2回、札幌の花粉の飛散状況をホームページ(https://www.iph.pref.hokkaido.jp/pollen/pollen_info.html)で紹介している。

北海道立衛生研究所が公表している花粉情報

 気温が高く乾燥した晴れた日、特に雨が続いた後の晴れた日は花粉が多く、さらに風が強いと花粉が飛びやすい傾向があるため注意が必要という。

シラカバの結実=森林総合研究所北海道支所提供

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