茨城県知事選は7日投開票され、いずれも無所属で現職の大井川和彦氏(61)=自民、国民、公明推薦=が、茨城大名誉教授の田中重博氏(78)=共産推薦=と元警備会社員の内田正彦氏(51)の新顔2人を破り、3選が確実になった。
大井川氏は、日本維新の会の県組織「茨城維新の会」や連合茨城からも推薦を受け、組織戦を展開した。自民の若手県議らと県内を回り、好調な企業誘致や県民所得の向上など2期8年の実績をアピールした。「現状維持、前例踏襲、横並びといった事なかれ主義にしがみつくことなく、これからも新しいことにおくせず挑戦できる県政を続けていきたい」と訴えた。
これに対して田中氏は社民県連合の支持も受け、小規模の集会を開いて「大企業のもうけを追求する現県政を変え、県民の命と暮らしを最優先にする」と主張。県が昨年12月に導入した、大病院に救急搬送された患者に緊急性が認められなかった場合、「選定療養費」を請求する仕組みについても、「救急車を呼ぶことをためらう人が増える」などと廃止を訴えたが、及ばなかった。
内田氏は、公務員の国籍条項撤廃を県が進めていることに反対する考えを強調。SNSを活用した選挙戦を展開。8月21日の告示前には15人ほどだったX(旧ツイッター)のフォロワーは7千人以上に膨れあがったものの、浸透しきれなかった。