菅家一郎氏の事務所が入る「菅家ビル」。地元の秘書らが対応に追われていた=2024年10月9日、会津若松市、波多野陽撮影

 15日に公示される衆院選で、自民党から公認を得られず福島3区から無所属で立候補を予定していた菅家一郎・前衆院議員(69)が12日、「非公認となり、厳しいと判断した」として立候補を取りやめる意向を明らかにした。

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「けじめつけたい」

 菅家氏は12日午後、自身の選挙対策本部会議が終了した後、会津若松市内で報道陣の取材に応じ、「今日の会議でも戦うべきだとの要請があった。(自民党福島)県連からも要請があった。しかし、『裏金議員』としてレッテルを貼られている現状でけじめをつけねばならない」とした。

 旧安倍派議員の裏金問題で、菅家氏は2018~21年の4年間で、派閥から計1289万円の還流があったものの、政治資金収支報告書に派閥名義の寄付として記載しなかった。自民党が今年4月4日に関係議員らの処分を決めた際、菅家氏は党役職停止6カ月となった。

 今回の衆院選では、自民党の公認候補として福島3区で立候補を予定していたが、党の公認を受けられなくなり、9日、無所属で立候補することを明らかにしていた。

幹事長「不戦敗はない」

 菅家氏は会津若松市長を経て、12年の衆院選に旧福島4区から立候補して初当選し、4期務めた。前回は小選挙区で敗れ、比例東北ブロックで復活当選した。

 自民党福島県連の矢吹貢一幹事長は「不戦敗はない。党への公認申請は締め切られているので、県連として独自に支援する無所属候補を立てるべく明日にも決めたい」と話した。(波多野陽、酒本友紀子)

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