安倍晋三首相(当時)が2013年の参議院選挙直前、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の会長らと自民党本部の総裁応接室で面談していたとみられることが複数の関係者への取材でわかった。自民党の萩生田光一・元経済産業相や岸信夫・元防衛相らが同席。朝日新聞は面談時とされる写真を入手した。
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萩生田氏は11日、議員会館で取材に応じた。秘書が同席した。
面談時とされる写真を示したところ、「私です」と写真の人物が自分であることを認めた。一方で、「事務所で当時の日程を確認したが、面会記録はなかった」とし、記憶もなく、北村氏の選挙支援について話をしたかも「わからない」と話した。
萩生田氏は当時、党総裁特別補佐で、総裁応接室近くに部屋があったという。来客の際、総裁の安倍氏から急きょ、写真撮影などのために短時間の「陪席」を求められることがあったと説明。そうした場合は日程表に記されず、誰と面会したかも記録されないと話した。
写真の教団側5人の中で知っている人物がいるか尋ねたところ、友好団体幹部1人を挙げた。安倍氏銃撃事件後、教団と自身の関係についての報道を巡って教団側に抗議した際に「連絡を取ったことがある」という。他の4人については「ない」と話した。
安倍氏は22年7月の銃撃事件で死亡。当時の公設秘書ら、連絡先が把握できた複数の秘書に面談や写真について尋ねたが、いずれも「知らない」と答えた。
岸信夫氏は23年に議員を退き、病気療養中。信夫氏の当時の公設秘書は現在、長男で衆院議員の信千世氏の事務所に在籍するといい、信千世氏の事務所は取材に、面談について「事務所に在籍する秘書たちに確認したが、いずれも確認ができなかった」と文書で回答した。