急性覚醒剤中毒で2018年に死亡した資産家で、「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎幸助さん(当時77)は殺害されたのか。
殺人罪などに問われた元妻の須藤早貴被告(28)は、12日に和歌山地裁で開かれた初公判で無罪を主張した。その後の冒頭陳述で、検察側と弁護側はそれぞれ、裁判で立証したい内容や主張を裁判員に印象づけるように訴えかけた。
まずは検察側。検察官が席の前に出て、裁判員の方を向いてはっきりとした声で話し始めた。
「完全犯罪。犯人である証拠は残さない。殺人事件であるとすら思わせない。被告人がたくらんでいたことです」
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検察側は、野崎さんの莫大(ばくだい)な遺産を得るため、須藤被告が覚醒剤を使った「完全犯罪」で殺害した、と主張。事件の前後に須藤被告がインターネットで検索していた言葉を紹介しながら、殺害に至る経緯や事件後の状況などについて説明した。
結婚翌月に送られた離婚届
野崎さんと須藤被告は、20…