6連覇を達成した藤井聡太棋聖=2025年6月30日午後6時59分、千葉県木更津市、北野新太撮影

 将棋の藤井聡太棋聖(22)=名人・竜王・王位・王座・棋王・王将と合わせ七冠=が30日、千葉県木更津市で指された第96期棋聖戦五番勝負(産経新聞社主催)第3局で挑戦者の杉本和陽(かずお)六段(33)に84手で勝ってシリーズ3連勝で防衛、6連覇を達成した。

 最終盤で形勢が揺れ動く戦いだったが、自玉の紙一重の安全を読み切って先手玉を寄せた。振り飛車党の杉本六段とのシリーズを無敗で制し、七冠を堅持。全3局を「序中盤の長い将棋が多かった。考えてもなかなか急所をつかめないこともあり、対抗形(居飛車対振り飛車)ならではの難しさもあった」と振り返った。

 棋聖戦は今期から優勝賞金を4千万円に大幅増額。特別賞1千万円も含め、過去最高賞金を得た藤井棋聖。2020年に初獲得したタイトルが棋聖で、昨年は獲得5期で永世棋聖の称号の資格を得ていた。

 22歳にして獲得タイトル数を通算30期(歴代5位)の節目に乗せた。31度のタイトル戦で30回目の獲得となったが「ここまでのタイトル戦を振り返るとどれも大変なシリーズばかりなので、30期(という結果)は少なからず幸運もあったのかなと感じています」と振り返った。

 タイトル初挑戦で1勝を挙げられず敗退した杉本六段だったが、第1局と本局では見せ場も作った。局後は「はっきりとした自分の課題が目に見える形で表れたので、棋士人生に生かしていきたいなと思います。今まで経験したことのない機会でしたので、どうなるか不安はありましたけど、始まってしまえば盤上に集中することができた。周囲の方に感謝したいです」と語った。

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