自民党の石破茂総裁は10月1日に召集される臨時国会で衆院解散・総選挙に踏み切り、「10月15日公示・27日投開票」とする方針を固めた。1日の首相指名後、意向を表明する。自民党内に早期解散を求める声が強くある一方、野党は国会論戦を求めており、反発が予想される。
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複数の政権幹部が明らかにした。石破氏は29日に出演したフジテレビの番組で、衆院解散のタイミングについて「早ければ早い方がいい。でも、ご判断いただく材料は整えたい」と語った。同日のNHKの番組でも「10月中の投開票もあり得るか」と問われ、「いろんな可能性は否定しない」と応じた。
ただ、石破氏は総裁選の期間中、与野党論戦の必要性に言及。「国民に判断していただける材料を提供するのが政府の責任であり、新しい首相の責任だ。本当のやりとりは予算委員会だと思う」とも語っていた。議論の機会を確保するため、党首討論などを設ける案が浮上している。
前回2021年9月の総裁選で勝利した岸田文雄首相は、首相就任会見で「10月14日に衆院解散、19日公示、31日投開票」を明言。臨時国会の所信表明演説と代表質問を終えると解散に踏み切り、そのまま衆院選に勝利した。石破氏も同様の流れを想定している。
自民党内には新内閣が野党から追及を受けるリスクを懸念し、できる限り早い解散への期待が根強くある。こうした声を受けて、石破氏も早期解散の判断に傾いた。
次期衆院選では、派閥の裏金問題をめぐり党の処分を受けた議員の公認が問題になる。ただし、石破氏は27日の会見で、「説明責任は、公認権者たる私もきちんと果たしていきたい」と述べるにとどめ、公認の是非への言及は避けている。