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次の衆院選への立候補を表明する名古屋市の河村たかし市長(右)。左は後継として指名された地域政党「減税日本」副代表で前副市長の広沢一郎氏=2024年10月1日午後4時14分、名古屋市中区、小玉重隆撮影
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 突然の国政転身表明だった。名古屋市の河村たかし市長(75)=4期目=は1日、今月27日に予定される衆院選の愛知1区からの立候補を明らかにした。市政運営や衆院選・市長選はどうなるのか。市民や市議会からは批判や戸惑いの声が聞かれる。

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 「名古屋城天守の復元を途中で投げ出すのか。木造でやるって言っていたのに」

 名古屋・栄の地下街で、市内に住む無職の男性(82)は憤りをあらわにした。「国政に変わるのなら、これまで市政でやってきたことの評価をしっかりやってほしい」

 大府市在住で来春から名古屋市に転入する予定という専門学校生の女性(19)は、日ごろ家族と戦争や平和について話すといい、河村氏の憲法改正への政策に不安を感じている。「兄やおいが戦争に行くことになるのはいや。平和を実現できる人に任せたい」

 名古屋市役所前。市内に住む会社員の20代男性も、途中で市長を辞めることに疑問を感じている。「仕事ぶりは頑張っている印象があった。国政では市でできることが限られるのでしょうか。最後まで責任を持ってやってほしかった」と話した。

「やりっ放し」の批判も

 大村秀章知事はこの日の会見で「補正予算も成立していないのに、市長を辞めるというのは無責任きわまりない」と語気を強めた。

 名古屋城天守復元を巡る差別発言問題では、市の検証委員会が9月の最終報告書で、河村氏らの「人権感覚の希薄さが差別事案の背景・遠因にあった」と批判。一部の職員が河村氏の発言を「パワハラ」と受け止めていたことも指摘し、市は第三者委員会を設置して調査する方針を示していた。大村知事は「こうしたこと一つひとつに対し、政治家として説明責任を果たしていない」と述べた。

 名古屋市議会の会派からも批判の声が上がった。最大会派自民党市議団の藤田和秀団長は「重要案件を積み残したままの『やりっ放し』。この時期の市長不在は議会軽視、市民不在だ」。共産党市議団の田口一登団長は「自身が提出した議案が審査されている市議会開会中に市長を辞め、議会と市民に対し無責任で許されない」と訴えた。

 一方、河村氏が代表を務める「減税日本」は今回の決断を「歓迎」と表明。会派の田山宏之団長は「名古屋で実現した減税政策を全国に広め、高過ぎる議員報酬を引き下げるなどの公約を実現していくことを期待している」と話した。(川西めいこ、国方萌乃)

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