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「ゼンポーコーエンフン」ポーズをとる小松和弘さん(右から3人目)、牧梨恵さん(左から2人目)ら参加者=2024年10月20日午前10時22分、埼玉県行田市、猪瀬明博撮影

 国の特別史跡「埼玉(さきたま)古墳群」の魅力をPRする「行田古墳フェスティバル」が20日、埼玉県行田市のさきたま古墳公園の芝生広場を会場に初めて開かれた。「歴史的・文化財的な価値は世界に誇れるレベルなのに、十分に発信できていない」。そんな思いの市民らが実行委員会をつくり、実現にこぎつけた。

 上空から古墳群を望む熱気球体験は強風の影響で中止になったが、古墳ガイドツアーやはにわ作り体験などに大勢の人が詰めかけた。主催者発表で1万5千人が来場。古墳を地域の財産と認め、活性化にも生かしている県内外の自治体など12団体の宣伝ブースもにぎわった。

 その一つ、大阪府高槻市の「古墳フェス はにコット」は2012年に始まり、行田の実行委も昨年11月に視察した。行田市で古墳フェスを開くきっかけを与えてくれたイベントだ。

 行田市の実行委員長小松和弘さんは足袋の企画販売をする傍ら、古墳のPRグッズも手がけていた。それが縁で2年ほど前に高槻市の実行委代表の牧梨恵さんと出会い、「お互いの古墳を推していこう」(牧さん)と意気投合。芽生えたフェスの企画を行田市の行田邦子市長に伝えたところ、県と共に市の後援が決まり、この日を迎えた。

 牧さんは開会式で「日本にはコンビニの3倍ほどの数の古墳があるんです。なかでも行田は古墳好きにとっての聖地。古墳の魅力を世界に向けて発信していきましょう」と呼びかけた。

 同じステージで牧さんの話を聞いていた小松さんも、多くの来場者が行き交う会場を見渡しながら「本当にありがたい。第2回、3回と続け、国内外の人に古墳の魅力に触れてもらえるフェスに育てていきたい」と思いを新たにしていた。(猪瀬明博)

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