「おもてなし日本一」で知られる石川県七尾市の和倉温泉にある老舗旅館「加賀屋」が、大阪市内に日本料理店を出店し、31日にオープンする。元日の能登半島地震でグループ4旅館は休業中で、営業再開は2026年を見込む。その間、関西方面の客に「おもてなし」と「味」を提供し続けたいという。
加賀屋営業本部によると、加賀屋は和倉温泉内の温泉旅館のほか、東京・銀座や名古屋、福岡など県内外で7店舗の日本料理店を営む。大阪の新店は、JR大阪駅前で同日に開業する商業施設「KITTE大阪」の5階に「日本料理加賀屋 KITTE大阪店」の名で構える。29日、報道陣に公開された。
実は、大阪出店の計画は地震前からあった。今年3月の北陸新幹線敦賀延伸で、関西方面は敦賀での乗り換えの不便さが生じ、和倉への客足が遠のくことを見越しての対策だった。
ところが、元日の地震で旅館は休業を余儀なくされた。各地の料理店を訪れる客から、営業再開を待ち望む温かい声が多く寄せられたといい、張原滋・第一営業部長は「関西から加賀屋を訪れる客は昔から多く、恩返しをする意味も込めて、最高のおもてなしと料理を提供したいと考えるようになった」と話す。
旅館での接客そのまま踏襲
52席を備える大阪店では…