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穴水小学校の仮設校舎の中を散策する児童ら=2024年8月29日午前9時24分、石川県穴水町、金居達朗撮影

 元日の能登半島地震でいくつもの学校が使えなくなった石川県の被災地で、まもなく新学期が始まる。特に被害が大きかった奥能登地域(輪島、珠洲、穴水、能登の4市町)では、仮設校舎が続々完成し、学習環境の整備が少しずつ進んでいる。

 地震の被害で校舎に立ち入れなくなっていた穴水町立穴水小学校(児童数137人)では、校庭にプレハブ2階建ての仮設校舎が完成。登校日の29日、児童らは校門を8カ月ぶりにくぐり、新校舎に初めて足を踏み入れた。夏休みの宿題の工作を抱え、「おはようございます」と教員らに元気にあいさつしていた。

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完成した穴水小学校の仮設校舎(右)に登校する児童ら。左は地震で床が傾くなどして立ち入れなくなった本校舎=2024年8月29日午前7時56分、石川県穴水町、金居達朗撮影

 元の校舎は壁や廊下に大きな亀裂が走って床が傾くなどしたため、約1キロ北西にある町立穴水中学校を間借りしていた。

 3月までは県立穴水高校も同居し、理科室を小学校の職員室とするなど、全教室を活用して乗り切ったという。年代の違う多くの子どもたちが行き交って混乱しないよう、小中学生で使用する玄関や階段を分けるといった工夫をしながら学校生活を続けてきた。

 この日は、教室で夏休みの宿題の点検後、仮設校舎内を探検。3年生は担任の奥野雅貴さん(39)が先導して全教室を巡り、児童らは興味津々の表情で歓声をあげていた。

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穴水小学校の仮設校舎に登校し、夏休みの宿題などを提出する子どもたち=2024年8月29日午前8時56分、石川県穴水町、金居達朗撮影

 仮設校舎は、これまで別の場…

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