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自身が裁判長を務めた弾劾裁判について語る船田元・衆院議員=2024年9月11日午前、東京・永田町、米田優人撮影
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 仙台高裁の裁判官だった岡口基一氏を「罷免(ひめん)」とした弾劾裁判をめぐり、結論を決めるための評議が3時間だったことが朝日新聞の取材で明らかになった。昨年4月の判決宣告時に裁判長を務めた船田元(はじめ)・衆院議員が9月に取材に応じた。主なやりとりは次の通り。

  • 裁判官を罷免した弾劾裁判、3時間で打ち切られた評議 内幕を探った
  • ネット巧者だった「白ブリーフ裁判官」 職を賭した法廷で語った過ち

 ――裁判を振り返ってどう感じるか。

 長い道のりだった。結審をして判決を出せて、非常にほっとしている。

 ――今回の弾劾裁判の難しさは。

 一番は、岡口氏が刑事罰を受けていないことだ。これまでの弾劾裁判では対象者が刑事罰を受けていた例が多い。(裁判官としてふさわしくない)非行の証拠になるものは事前に刑事裁判で確定し、弾劾裁判でそれをなぞる形になっていた。しかし、今回は証拠を認めるかどうかなどを含めて、まさに「フルサイズ」の裁判を行った。そこが苦労のもとだった。

 ――弾劾裁判の審理には、刑事裁判と同じ程度の厳格さが必要か。

 刑事裁判は証拠に基づいた事実認定が中心。弾劾裁判は、裁判官の非行が世の中にどんな影響を与えるのかを判断する。裁判官としての適性に踏み込まざるを得ないが、決して人格裁判にしてはいけない。刑事裁判と弾劾裁判の特徴を併せ持つような議論にしたつもりだ。

 ――ある程度の厳格さは弾劾裁判にも求められる、ということか。

 最低限は必要だろう。

 ――岡口氏の弾劾裁判では、罷免するか否かを議論する評議は1回で、約3時間と取材で把握している。

 評議は、全ての証拠調べや尋問が行われ、結審した後でないとできない。ただ、国会議員の日程を考えると、かなりコンパクトにやらざるを得ない事情があった。1時間では良くないので、できるだけ時間をとろうと3時間程度とした。

結論を決める多数決は「無記名投票」

 投票せずに結論がまとまるの…

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